1. ホーム / 
  2. ニュースとストーリー / 
  3. 石英ガラスによる高速データハイウェイ

石英ガラスによる高速データハイウェイ

ドイツ全土に高速インターネットが整備される?ドイツ連邦政府は、2025年までに国内の全世帯が高速インターネットに接続できると約束しています。そのため、電気通信事業者は、ブロードバンドの拡張と、銅ケーブルから光ファイバーへの置き換えを積極的に進めています。他の国でも、高速ネットワークへの需要は同様に増えています。産業界全体のデジタル化には光ファイバーが不可欠です。しかし、電気通信業者が世界中にネットワークを広げるためには、大量の石英ガラスが必要です。

世界中でネットワークの整備が進み、毎年数百万キロの光ファイバーケーブルが敷設されています。ドイツでは現在、全世帯の11%が自分のモデムを使って光ファイバーインターネットにアクセスできるようになっています。ドイツ政府の目標は、2025年までに、ドイツ全土に高速ネットワークを提供することです。ただしこの数字には、ラストマイルを銅線に依存している高帯域幅のDSLおよびTVケーブル接続も含まれています。他の国では、光ファイバーの拡充という点においては、すでにドイツより先行しています。ヨーロッパでは、アイスランド、ベラルーシ、スウェーデン、スペイン、ラトビアが、50%以上のカバー率、中国や韓国では、ブロードバンド接続全体の約80%が光ファイバーで実現されています(2019年現在)。ところで、光ファイバーとはそもそも何なのでしょうか、なぜこの技術が銅線ケーブルよりもはるかに優れているのでしょうか?

グラスファイバーとは、ガラスでできた毛のように細い繊維にプラスチックをコーティングして安定化させたものです。光でインターネットの通信データを送信します。ガラス中の光は銅ケーブル内の電気信号よりも妨害されにくいため、光ファイバーを通してより多くのデータを伝送することができるのです。最近では、イギリスの研究者たちが光ファイバーを介して1秒間に178テラビットのデータを送信しました。私たちの計算によると、これは人が一生のうちに見る映画やテレビ番組のすべてを、わずか数秒で送信できることを意味します。今日の長距離通信の標準は、すでに30テラビットを超えています。また、光ファイバーは銅ケーブルに比べてエネルギー損失が非常に少なく、その上、耐候性、不燃性にも優れているため、ブロードバンドネットワークの増設にも最適です。

光ファイバー拡張の基礎となる石英ガラスシリンダー

光ファイバーは非常に細いものですが、毎年何百万Kmものケーブルを敷くためには、約1万5千トンもの石英ガラスが必要になります。このうち約4分の1をビターフェルトにあるヘレウス・コンヴァンスが生産・出荷しています。ここでは、合成された純粋の高い安定した石英ガラスから、年間1万本以上のシリンダーが生産されています。1本のシリンダーの直径は23cmほど、重さは200Kg以上あり、これが約1万Kmの長さの光ファイバーになります。インターネット通信の増加に伴い、光ファイバーだけでなく、さまざまな個別のファイバー需要も増しています。そのためヘレウス・コンヴァンスは、パートナー企業と協力して、未来のファイバーの開発に取り組んでいます。その中には、格段に伝送損失の少ない長距離通信用ファイバー、GoogleやMicrosoftが使用しているような大規模データセンター用の複数のコアを有するファイバー、自律走行や医療手術の遠隔制御などの低レイテンシーを必要とするアプリケーション向けの中空コアを持つファイバーなどがあります。

ヘレウス・コンヴァンスは、中国やアメリカ、インドなど、世界中の光ファイバーメーカーに機械加工したシリンダーを納入しています。これにより、各国がブロードバンドネットワークの拡張整備を推進し、地方にも高速インターネットを提供することが可能になります。

ヘレウス・コンヴァンス製石英ガラスシリンダー
ヘレウス・コンヴァンス製石英ガラスシリンダー1本からは、1万キロメートルの光ファイバーができます。