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アモルファス合金が持つ、
特殊な材料特性とは

医療技術、モビリティ、ロボット工学、センサー、航空宇宙、そして現代のライフスタイル。これらのどの分野においても、最高の精密性と堅牢性が求められる部品には、特にアモルファス合金が必要とされています。アモルファス合金は、通常であれば相反する「高剛性」と「高弾性」を同時に備えるという特殊な材料特性を持つためです。現在、この利点は高品質イヤフォンのハウジングに応用されています。

茶色の背景に黒のゼンハイザー・ヘッドフォン

アモルファス合金の製造は、衝撃から始まります。金属融液を衝撃凍結して製造するのです。外観は従来の金属に似ていますが、従来の金属とは異なり、アモルファス合金は固い結晶構造を持ちません。すなわち、従来の金属のような規則正しい格子構造を持たず、原子が無秩序な状態にあるのです。

ゼンハイザーIE600ヘッドフォンを装着した男性の横顔
Sennheiser IE600 - アモルファス合金がもちられているハイエンド高品質イヤフォン

この無秩序が、次のような多くの利点をもたらします。

  • 強度:アモルファス合金は鋼鉄の2倍の硬度を持つため、繊細な部品の保護に使用できます。同時に、部品を小さく、また薄くすることを可能にするので、小型化のトレンドにも対応できます。
  • 柔軟性:合成材料と同等の柔軟性があります。
  • 品質:耐久性、防錆性、高級感を実現します。
  • 弾性:大きな弾性エネルギー・変形エネルギーを、音響としても確実に伝達します。
  • 設計:厳しい公差要件においても、形状設計や製造の自由度を向上します。
  • 生体適合性:皮膚に触れたときに抗菌性があり、インプラントへの使用も承認されています。

私たちの貢献:ハイエンドヘッドフォン用ジルコニウムハウジング

アモルファス合金の開発、射出成形や3Dプリンティングによるアモルファス部品の製造を行う、ヘレウス・アムロイ。アモルファス合金独自の特性を自社の技術ノウハウと組み合わせ、新たなハイテク用途を切り拓いています。その一例が、Sennheiser社との協働です。高品質のインナーイヤー型ヘッドフォンハウジングの製造に、アモルファス合金の多くの利点を活かしたMetal Additive Manufacturing(金属の積層造形)が採用されています。

このハウジングは、ヘレウス・アムロイが長年にわたり協働を行ってきたテクノロジー企業、Trumpf社の3Dプリンターにより製造されています。この印刷工程では、厳しい公差条件においても、あらゆる形状を高精度で実現することができます。製造段階でチャンバーやチャンネルを作成できるため、機械を用いた再加工は不要です。

ビルトプレートのクローズアップ
3Dプリンターで製作された高級ヘッドホン用アモルファスジルコニウムハウジング

ハウジング材として、Sennheiser社はアモルファスジルコニウム合金AMLOY-ZR01を採用しました。これは、内部のトランスデューサーなど、繊細なハイエンドオーディオ部品を保護し、長い製品寿命を保証します。さらに、この素材は使用時に熱を帯びないため、イヤフォンの装着が非常に快適に。同時に、この美しい素材は自然な音の再生に貢献します。

ハウジングは、その一つひとつが、アモルファスジルコニウム系合金の粉末の層を形成するように製造されています。印刷後は、部品の後処理を手作業で行い、必要な表面構造を実現します。その結果、光沢のあるサテンマットの外観となります。このように製造された部品は、日常的に使用してもほとんど跡が残りません。

工業分野では、この合金は最高の精度と信頼性が求められる場合に重宝されます。特に航空宇宙、医療技術、モビリティの分野や、工具の用途に適用されています。アモルファス合金の利点は、センサー用途以外にも、ロボット工学や機械工学の分野にも応用できるでしょう。また、オーディオに限らず、様々なライフスタイル製品にも使用の可能性が広がっています。例えば、ヘレウス・アムロイはギターなどの楽器や時計などのアクセサリー用の部品の製造にも着手しています。